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そして、あの日が

部署が変わって、年間の残業時間も800時間から、かなり少なくなった。そして彼女との時間も、増えた。しかし、あの日、彼女は、ぼくに言った。「これからは、ゆっくりできるね」。ぼくは、答えた。「そうなるとは思うけどわからないよ」。彼女は、「4階のベランダから、死ぬ、死んでやる」とベランダに向かって走り出した。私もとっさにベランダに向かって走り出し、彼女の体を抑えた。「ごめんよ。ごめんよ。おれが悪かった」。おれは、叫んだ。心の中で祈った。死なないでくれって。部屋の中は、ソファーがたおれ、無言であったけど二人とも涙で淋しかった。こんなにも彼女を苦しめているんだ。心がとてもさみしかった。こんなにも愛していたのに、どうすることもできない淋しさが、言い尽くせない思いが。どうしてどうしてだろう。どうすれば、どうすればいいんだろうか。そう二人、新しい人生を歩むべきかもしれない。


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